高千穂のトイレマークを紹介します。
岩戸の中に隠れたアマテラスを出したのが俺
気を引くため踊ったのがアタシ。
発見日:2008年11月30日
日本神話の人物トイレマーク
今回のトイレマークは、宮崎県高千穂のトイレマークです。
木彫りで丁寧に作ってあり、男が「たぢからおの命(みこと)」、女が「うずめの命(みこと)」の表記があります。彼らは日本神話で最も有名なもののひとつ天岩戸神話の登場人物。
ココ高千穂にある「天岩戸神社」は、その天岩戸だったとされる場所です。岩戸を遠くからですが見ることもできます。もっとも、日本各地にそのように伝えられている場所は複数ありますが、高千穂は天孫降臨の地であるとされているので、なかなか有力な説なのではないかと個人的には思っています。
高千穂では、古くから伝わる夜神楽でこの「天岩戸」の演目があり、このトイレマークはその神楽の面を表現しています。ちなみに高千穂では毎夜、この手力雄の舞や鈿女の舞を含む、人気の舞4番を上演しています。
天岩戸伝説の概要
昔、高天原という神々の住むところがありました。そこに天照大御神(アマテラスオオミカミ)という女の神様と、須佐之男命(スサノオノミコト)という荒々しく暴れてばかりの弟の神がいました。
ある日、天照大御神が機織りをしていると、須佐之男命が天井から皮をはいだ馬を投げ入れました。これには天照大御神も怒り、天の岩戸という洞窟に隠れてしまいました。
太陽の神が隠れたので、世界は真っ暗になり、災いが様々に起こります。困った他の神々は天安の河原に集まり、長く鳴くニワトリを鳴かせたり、祈祷をしたりしました。そして、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が桶の上でリズムをとって躍ると、神々は笑ったり手をたたいたりして盛り上がりました。
外があまりにもにぎやかなので、天照大御神は不思議に思って、岩戸を少し開けて外をうかがいました。そのときに天手力男神(アメノタヂカラオノカミ)が岩戸を開き、天照大御神を引っ張り出しました。
おかげで、世界は再び明るくなりました。
……というお話です。
日本神話は大まかに古事記バージョンと日本書紀バージョンがありますが、今回は神社本庁のマイルドな話をベースにご紹介しています。
たぢからおの命とうずめの命は…
…ということで、うずめの命は、岩戸に隠れた天照大御神の気を引くために踊った神。
たぢからおの命は、岩戸からちょっと顔出した天照大御神を引き出した神。
お二方とも、この世に再び光を取り戻した功労者ですね。このお二人をトイレマークにするとは、なんだか本当、神話と縁深い土地なんだなあ…と思います。
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