中世ヨーロッパ女性のとんがり帽「エナン」について!時代や地域もチェック!-No.117

トイレマーク ――腕ナシ足1本ピクトグラム

先日、女性がとんがり帽をかぶった珍しいトイレマークを見つけました。

この姿、よくおとぎ話などでは見かけますが、トイレマークまであるとは。面白いな~と思いつつ、ふと、そもそもなんでこんな奇妙なかぶりものを昔の女性はしていたんだろう?と、気になって仕方ないので、調べてみました。

そのとんがり帽、すんごい迫力だな。

素晴らしいでしょ。

 

発見場所:福岡市博多区 式場「RITZ5」
発見日:2008年2月16日
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とんがり帽「エナン」とは

ハンス・メムリンク『真実の愛の寓意』1485-90年 画像:メトロポリタン博物館

「エナン」とは中世ヨーロッパの高貴な女性がつけていた円錐形の頭飾りのこと。フランス語表記でHenninと書きます。(フランス語は頭のHは発音しませんもんね)。

このエナンは、金属やブロケード(サテン地に浮き模様を織り出した織物)、ベルベット、シルクでできており、長さは30cmから45cmのものが一般的だったようです。しかし資料によっては80cmと長いものもあったとか。その長い形はすらりと高いものを好むゴシックの理想をよく体現しているとも言われます。

円錐の先が尖っているものもあれば、先が平たくなっているものもあったとか。エナンの上部からは、長いベールや麻布を垂らし、通常髪の毛はすっぽりと中に納めていました。

しかし現在、その構造はよくわかっていないのだそう。

この帽子は、モンゴルの戦士や女王の帽子に起源を持つとも言われます。

「エナン」はいつ頃存在したの?

ハンス メムリンク「Tommaso di Folco Portinari 」(1428–1501),  画像:メトロポリタン博物館

「エナン」はヨーロッパで1375年頃あらわれ、1480年頃まで続いたそうです。

はじめは貴族の子女だけのものでしたが、次第に普及し、特に帽子の先が平らな切形は一般に広まったとされます。

「エナン」はどの地域?

M.A「ブルゴーニュのメアリー」1528 画像:メトロポリタン博物館

フランスや、ブルゴーニュ地方のほか、イギリスの宮廷やヨーロッパ北部のハンガリー、ポーランドなどでも着用されていました。特にこの時代ブルゴーニュ公国が栄華を極め、フランドル派絵画などでこのエナンが複数確認できます。

しかしイタリアでは例が見られないそうです。

また、中東のレバノン、シリアでも見られるそうです。

「エナン」はふたまたのものもある?

「 フランス王妃イザボーに本を贈るクリスティーヌ・ド・ピザン」出典元:The British Library

「エナン」の定義は実は幅広く、上記の画像の右女性のような、二股で白い布を全面にかぶせたものも「エナン」と呼んだりしていたそうです。ちなみに周囲の女性の頭はハート形の「ブールレ」というもの。

また、インパクト大なのが次の絵画。

ロジェ・ファン・デル・ウェイデン「ポルトガルのイザベラの肖像」 画像:J.ポールゲッティ美術館

ど~~ん!二股エナンです!大迫力~!

この画像のタイトルは「ポルトガルのイザベラ肖像」となっていますが、彼女はブルゴーニュ侯爵夫人だったようなので、やはりブルゴーニュあたりで着用されていたのでしょうね。

二股のかぶりものといえば、やはり「眠れぬ森の美女」の魔女マレフィセントが思い浮かびます。

あ、DVDパッケージだと頭部までうつってないや。


グッズでしか頭部まで映っている画像が探しきれませんでしたが、大体こんな頭ですね。

マレフィセントの場合はこれはかもしれませんが、私たちにエナンのイメージがあってこそ、マレフィセントが角を掲げていても違和感ないのかもしれませんね。

 

結論!トイレマークで登場しているのは…

…ということで、トイレマークで描かれていたのは、おおまかに15世紀くらいのブルゴーニュ地方あたりの人物でしょう(笑)。

 

 

男性は少なくとも19世紀の現代人っぽく思えますが…、

同時期、同じエリアの絵画でいいものを見つけました。コレです↓

Jan van Eyck, active 1422; died 1441,Portrait of Giovanni(?) Arnolfini and his Wife,1434
Oil on oak, 82.2 x 60 cm,Bought, 1842,NG186, https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG186

有名な絵画ですね。初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた「アルノルフィー二夫妻像」で、男性がかぶっているのは夏に用いられることが多い、黒く着色された麦藁帽子(!)だそう。

まあ…彼らは貴族じゃなくて商人らしいけど…。まあ、こんなイメージで…。

 

ってか、このトイレマーク制作者も、そんな深く考えて作ってない可能性大ですけどね。

あくまで個人的な考察でした。

 

似たマークがあった!?

このトイレマークによく似たマークが見つかりました!

トイレマークの首が取れた!?似たマークと並べると浮かぶ真実!‐No.377
頭が取れた疑いのあるトイレマークを紹介します。

………頭、取れてない???

そんなに「エナン」が嫌だったのでしょうか?不思議なトイレマークなので、こちらも是非ご覧ください。

頭が尖っているトイレマークがほかにも!

女性の頭がまたしてもとがっているトイレマークを見つけました。

女性がとんがり頭のトイレマーク!エナン?ほっかむり?‐No.748
女性がとんがり頭のトイレマークを紹介します。
トイレマークの後ろ髪がひかれている…女性だけなにか心残りが?-No.069
女性の髪の毛が後ろにひかれているものを紹介します。

 

そんなに女性の頭は尖っているイメージなんですかね…?

 

参考:

日経ナショナル ジオグラフィック社「帽子はもっとおしゃれだった 100年前の民族衣装 」 2018/7/11 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO32506120S8A700C1000000?channel=DF260120166526&page=2

協同組合西日本帽子協会ヨーロッパにおける帽子の起源 http://www.hatandcap.or.jp/hundred_pages/europa_pages/gothic.html

Wikipedia「エナン」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8A%E3%83%B3_(%E5%B8%BD%E5%AD%90)

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