今回紹介するトイレマークは、女性の頭にバラの飾りがついたものでした。
そういえば、女性といえばバラのイメージがなんとなくありますが、これは何故なのでしょう?今回バラと女性の関係について調べてみました。
バラの飾りでよりエレガントでしょ。
女はバラが好きだよな~!
発見日:2014年12月10日
提供:中村様
バラの飾りが素敵なトイレマーク!
今回のトイレマークは、女性の帽子についたバラ飾りが印象的。
この帽子の飾り、どう見てもバラですね。女性=バラといえば、以前とても素敵なトイレマークがありました。
女性自体がバラになっちゃっているんですね。
女性はバラそのもの、という表現のようにバラはどちらかというと女性のイメージがありますよね。モチロン、男性とバラの組み合わせもありますが、男性の場合は女性にプレゼントする様子など女性絡みのイメージ、あるいは、本人が愛でているならナルシスト的なイメージです。
バラと女性にはどんな関係があるのでしょう?
バラの特徴について
バラはバラ属バラ科の総称。ヨーロッパ、中近東、アジア、北アメリカなど北半球の広い地で自生しており、各地で古代より愛されてきました。何よりトゲや香りが特徴的なので、ヨーロッパや中東では神話などにも登場します。
ハマナス
日本にも「ハマナス」などバラの原種が自生しています。ちなみに和名「ばら」は「いばら」がなまったものとされており、漢字だと「薔薇」の字をあてるのが通常ですが、この語は音読みで「そうび」「しょうび」とも読みます。
バラと人類の歴史
ギルガメッシュ叙事詩の粘土板※バラの箇所ではない
バラが人類史で記述に登場したのは、メソポタミア文明の『ギルガメシュ叙事詩』です。これは主に紀元前2000年-1200年の粘土板にくさび型文字で描かれたもののなかで「薔薇は永遠の命」という記述があるそう。なんだか耽美的でいいですね。紀元前1500年頃に作られたといわれる『花を嗅ぐ女神』というレリーフには、おそらくバラであろう花を嗅ぐ姿が描かれています。この女神は「イシュタル」であると推測されています。イシュタルはローマ神話のウェヌス(ヴィーナス)、ギリシア神話におけるアフロディーテになったとされる女神です。この頃からすでに、女性とバラは結び付けられているようですね。
ギリシア神話では、アフロディーテの誕生を祝って神々が美しいバラを生み出したとされるほか、赤いバラの理由やトゲのある理由など、エピソードが数多くあります。ギリシアの詩人サッフォー(BC7世紀~BC6世紀)は、バラを「花の女王」であると讃えました。
そしてエジプトでは、クレオパトラ(前69年~前30年)がバラを好んだとされています。ローズオイルを体に塗り、寝室にはひざの高さまでの花びらを敷き詰め、シーザーやアントニウスを迎えたと言われます。
古代ギリシアの古典をもとに描いたボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」。バラの花が散る。
その後、ローマ帝国ではバラは「ウェヌス(ヴィーナス)の花」として知られ、貴族はバラ風呂など普段の生活のなかで使いました。特に皇帝ネロ(37~69年)はバラを好み、宮殿内を飾り立て、天井からは花びらを山ほど散らしていたそう。彼の妻の葬儀の際には香料が4キロ四方にわたって匂っていたそうです。また、皇帝ヘリオガバルス(203~222)は客人をバラの花びらで窒息死させて楽しんだという残酷なエピソードもあるとか。
その後、キリスト教の広がりにより、白いバラは白いユリとともに純潔の聖母マリアの象徴へと結びつきました。赤いバラはキリストの血を象徴するとされました。しかし中世になると、禁欲的な道徳観により庶民の栽培は禁止され、教会のなかで捧げるものとしてのみ栽培されていました。
一方、中東でもバラは重要視され、ダマスカスローズ系の香りの高い品種が好まれていました。中東では蒸留して精油を取り出す方法が確立され、バラ水は神聖なものとして体や場所を清めるのに利用します。イスラム教のなかでも取り入れられ、白バラは創始者マホメットを、赤バラは絶対神アラーを象徴しているとされています。現代でも中東はバラの一大産地です。
イランのペルシャ式庭園エラムガーデン(写真AC)
その後、11世紀頃からヨーロッパの人々は十字軍という形でイスラム教圏へ赴き、バラを多数持ち帰りました。そこでバラ人気が再燃。15世紀イギリスでは王位継承をめぐり、白バラと赤バラに分かれて戦った「バラ戦争」後のテューダー朝は、白と赤のバラをモチーフにした紋章をあしらうなど、様々に描かれていきました。
ヨーロッパでは18世紀になると、ナポレオンの妃ジョセフィーヌが、各国から集めたバラでバラ園を作り、園芸家を雇って品種改良を重ねました。その後、同じフランスの育種家ギョーにより、1867年、四季咲きのモダンローズ「ラ・フランス」が発表されました。
こうして歴史を見てみると、古代の女神の花というイメージが、女性とバラを結びつけることに関係しているように思いますね。また、香りやトゲなど、様々なメタファーにも引用されてきたことから、何かしらメッセージがあるのではないかという勘繰りも自然に出てくるような気がします!
女性ホルモンとバラの香りの関係
では、科学的な面ではどうかというと、実際にバラの香り成分には「ゲラニオール」や「ネロール」といったものが含まれ、これらは女性ホルモンのバランスを整える作用があると言われています。生理前のイライラや、生理痛を和らげてくれる効果もあるそうです。また、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の分泌促進作用があるため、異性を魅惑する作用までがあるとも言われています。
化粧品なども多くこのバラのエキスを使用しています。
つまり、バラの成分は実際に女性に効き目があるということのようで、それは昔も今も、バラは女性がもらうと嬉しい、というのはあるみたいですね。
バラの花と女性まとめ
今まで何となくバラは女性が好きな人が多いのかな?なんて思っていましたが、こうして調べてみると、
- 女神や聖母マリアの花と結び付けられがち
- 実際に女性ホルモンにいい働きをする
ということがわかりました。
歴史をみてみると、バラを愛でた男性もたくさんいましたが、やはり女性のほうが際立つみたいですね。とりあえず、バラに限らず花は美しさの象徴でもあると思うので、美ならやはり女性のイメージとつながるのも自然なのかな?と個人的には思いました。
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