フランスの公衆トイレの歴史と男性用小便器について‐No.971

トイレマーク ――四肢アリピクトグラム

トイレマークを集めている当サイトですが、今回、フランス旅行から帰ってきた弟からもらったトイレマークは、「サニゼット」と呼ばれる公衆トイレのマークでした。

調べてみると、フランスには様々な公衆トイレがある模様。

今回はその件について簡単に解説します。

私たちはサニゼットという公衆トイレのマークなの

パリ市内にある全自動トイレさ

発見場所:フランス パリ市内公衆トイレ
発見日:2019年2月
提供:KT様
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フランスの無料公衆トイレ「サニゼット」

フランスでは街中で使える公衆トイレはあまり多くはないと言います。

日本では、コンビニなどのトイレを自由に使えますが、パリではそうではありません。パリ市内ではトイレの個数自体が少ないのに加え、有料のトイレも多く、無料のトイレを探して膀胱炎になったりする人もいたりするほどなのだそう。

そんなパリ市内で一般的な無料の公衆トイレといえば、「サニゼット(Sanisettes)」というトイレ。

画像:wikipedia 著者:Agateller  https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SanisetteWiki2009.jpg

 

サニゼットは昔はコイン式の有料だったそうですが、2006年からは無料となっています。

このトイレで面白いのが、用を足して出た後は、毎回便器のみならず床まで全自動で洗浄されるというところ。これにより清潔感は保てますが、もし室内に忘れ物をしたときなどは悲惨なのだとか。置き忘れたバッグや携帯などがビショビショになってしまいます。

また、一人が用を足すごとに毎回大がかりな洗浄をするため、観光地では行列が進まないといった面もあるそう。

男だけの小便器用トイレ「ピソワール」の歴史

フランスの街中では、男性のみに焦点を当てたものが昔から存在していました。それが、「ピソワール(pissoir)」という男性用小便器。

これは当時、街中にし尿があふれコレラも流行るなど、においの面からも衛生面からも社会問題にもなっていた状態を改善するために1830年に登場したもの。

画像:wikipediaよりサンテ刑務所前の現存する唯一のvespasiennes。

形状からエスカルゴと例えられるほか、ヴェスパシアヌス(vespasiennes)と呼ばれることもあります。これは、肥料や洗剤に加工するための尿にまで課税した古代ローマのウェスパシアヌス帝への皮肉を込めての呼称です。

ただ、こちらはゲイの方々の出会いの場となったり、女性用トイレがないことが問題視されてきたため、近代、上記のサニゼットにとって代わっていきました。現在はサンテ刑務所前に現存するのが唯一の施設なのだそうです。

立ションを堆肥化「ユリトロトワール」

画像:wikipediaよりナントのユリトロトワール 著者Roland Belote https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Uritrottoir_STOUT_XL.jpg

ピソワールがサニゼットにとって代わっていったものの、行列になるためパリ市内では男性の立ションも多く見られました。そのことから2018年に登場したのが、「ユリトロトワール(Uritrottoir)」という、一見花壇にしかみえない設備。これは内部はワラが敷き詰められており、尿を堆肥化するという仕組みになっています。

ただ、用を足す様子が丸見えでもあり、高級住宅街では反対も起こるなど色々と課題もあるようです。

街中で見つけた男性用トイレ

以上のように、男性用のトイレなど様々な公衆トイレが登場しているパリですが、私の弟が2019年に訪れた際にはもうひとつ違う形のトイレがあったそうです。それがコレ↓。

オープンスタイル~~。

でも、このトイレに関する情報が探したけれどわかりません。ご存じの方教えてくださると幸いです。

ちなみに、このトイレの上部には、トイレマークがきちんとついています。当然ですが男性のみ。

腰の部分はトップスとボトムスで切れているけど、足の部分はズボンと足で切れていないのね。タイツ?なんてね。

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有料トイレについて考察します。

 

参考
wikipedia 「pissoir」 https://en.wikipedia.org/wiki/Pissoir
wikipedia 「Vespasienne」 https://fr.wikipedia.org/wiki/Vespasienne
トイレマガジン「西洋での小便器の由来は一体何?」2020/08/20記事 https://toilet-magazine.jp/etc/1594

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