今回見つけたトイレマークは、今年オープンした健診センターのものです。
オシャレでキレイな雰囲気の健診センターで、トイレマークもさりげなく建物の雰囲気と調和するように置かれていました。
しかしそのトイレマークの「さりげなさ」に関して、近年叫ばれるようになってきたのが「わかりやすさ」。
今回はその件も含めて考察します。
俺は男だ!…ていうのも何か違和感だよな。
ことさら性別を強調する世の中でもないしねえ。
発見日:2023年4月10日
男女の差を極力減らすトイレマーク
今回のトイレマークは、シンプルな棒人間。
棒人間といっても、控えめな輪郭で描かれた可愛らしいものです。
このトイレマークは、女性マークもスカートといえばスカートなんだろうという程度のものだし、男性も一般に見られるような肩幅が広いものではなく、むしろ丸みを帯びた撫で肩になっています。
そこに男女の差はあまり強調されてはないようです。
最近、こうした性差をあからさまに表現しないトイレマークをよく見るようになりました。
カタチはもちろん、同色が多いですよね。
こういうのって、男女が二つ並んでいる場合は見比べて「どちらかといえば男/女に見える方」が選べますが、少し離れたところに男だけ、女だけの単体である場合はわかんなくなっちゃいます。
トイレという場所は緊急を要することもあり、また、違う性別に間違って入った場合は犯罪間際の大問題になってしまうことから、トイレ表示はハッキリとわかりやすい方がいい、従来通りのものでいいという意見も多く挙がっています。
LGBTQとは別問題?
こうした「性差に配慮した」トイレマーク、今流行りの「LGBTQ的な問題でしょ」で、我々は片づけたくなりますが、なんかよく考えてみるとそうばかりとは言えないかも…とも感じます。
この現象で問題になっているのは、大きく分けて二つかと。
(2)「男=ズボン・色は青や黒!」「女=スカート・色は赤やピンク!」などの固定イメージへの違和感。
(1)の二極の件については、トイレの構造的問題ですね。
これはLGBTのなかでもとりわけT(トランスセクシュアル)の方がどちらを使うかが世界的に社会問題になっており、色々と検討されています。
日本でも現在、性別の垣根を取り払い、一か所に設置されたトイレが歌舞伎町で導入され、賛否が巻き起こっていますよね。
これは主に防犯上の問題や、羞恥心、衛生面の問題など、色々クリアせねばならない問題が多くあり、まだまだ過渡期にあると思います。今後、これらがどうなるのか、動向が見離せません。
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そして、(2)固定イメージへの違和感。
これは、トイレマークの表現の問題です。
この固定イメージに違和感を持つのは、LGBTQの方だけではありません。生まれ持った性別や指向に違和感のない、大多数の男女も同じことです。これはすべての私たちの問題です。
固定イメージの違和感への検討
男はズボンで女がスカート。トイレマークが誕生してからずっとこの表現がメインでした。
私自身に関して言えば、生まれ持った自分の性別に違和はなく、異性を好きになるただの女性ですが、女性表現でよくあるスカートなんかほぼはきません。髪もそんなに伸ばしていないし、リボンもつけないし、口紅も全然つけません。真っピンクも着ません。
これと同じことで男性は男性で、長髪な人もいるだろうし、肩幅も狭いきゃしゃな人もいるだろうし、ピンクを着る人もいる。もっといえば、「紳士」とかって表現される蝶ネクタイにシルクハットの姿なんて一生着ないかもしれません。
こういった見た目だけを考えれば、マークを体現しているその性別の人のほうが少ない。
男性らしさ、女性らしさでくくられて、違和感を覚えているのはむしろ大多数の”一般の”人のほう。
LGBTの方はむしろ女性らしさ、男性らしさを大事にしたい人ではないでしょうか。
中性化したところで…
しかし…、固定イメージを見直す時期なのはわかりますが、一概に中性に近づけるのもそれはまた違うとも個人的には思います。
それは過去に大府市のトイレマークでもひと騒動見られました。
性差を減らした表現をしたところで、トイレは大体(現在のところ)男か女かに分かれているので、ただただ見にくくなっただけ。
まあ、私が一番言いたいのはトイレマーク好き的には男女差がないなんて「面白くない…」の一言です。製作者それぞれの男女イメージを眺めたい…それだけ。
トイレマークなんて星の数ほどある表現の一つだよ…。一つの表現にとらわれて、実際の性別それぞれには広い幅があるってことを忘れてはだめ。
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