レトロなトイレマークを紹介します。
所便御じゃないよ!右から「御便所」だ!
同じく、右から「紳士・淑女」って読むの。
発見日:2014年11月1日
提供:KT様
右から読むトイレ表記!
今回のトイレは「じょ・べん・お…?」いやちがう!右から読んで「御便所」だ!
…てなわけで、レトロはレトロでも、右から左へ読む横書きまで模倣したかなり稀有な存在です!あ~スゴイ。ここまでやり切ってしまうと、文句も出ないです!万歳!
ちなみにこちらは、昭和レトロな横丁雰囲気をイメージした飲食街のようです。昭和と一口にいっても戦後ではなく、戦前ね…。スゴイ。
日本語の横書き表記の向きっていつ変わったの?
ちなみに日本語の横書きが現在の右から左(→)へ統一されたのは、意外と歴史は浅く、戦後になってからでした。
もともと日本語はもともと縦書きで、右から左へ読む文化でした。
昔は巻物だったので、右から左へ開いて、右端から読んでいるかたちですね。
←←←←←←←←この向き←←←←←←←
それが、文明開化後、西洋の書物で左から右の横書きの文章が大量に入ってきました。明治・大正期の日本語は現在と同じ左から右(→)の看板などもなかにはあったようですが、主には右から左読み(←)でした。
夏目漱石「吾輩ハ猫デアル」の表紙
それから右書きと左書きの特に規定のない時期があり、各所で統一の動きが高まりました。そして第二次世界大戦中の1942年、文部省が現代と同じ左書き(→)を本則とする旨をついに示しました。しかし、戦時下ということもあり欧米に合わせたような左読みは、決定には至らなかったようです。
流れが変わったのは戦後。昭和20年代に新聞各社が左から右読み(→)に切り替え、そこから徐々に認識が広まっていきました。欧米は左から右読みなのはモチロンですが、数式を書くにせよ、楽譜を読むにせよ、こちらの方がはかどりますもんね。
ということで、今回はその「戦前」を意識しているトイレマークですね!素敵!
イラストも雰囲気溢れる!
今回のトイレマークは、イラストも素敵!フォントも素敵!
男性は「紳士」。この横顔が何とも言えない。帽子を前の方に傾けてかぶっているのもいいですね。
女性は「淑女」です。意外と、「淑女」と表記してあるのは初出です。
今まで、日本語で「紳士」と書かれたものはありましたが、女性は「婦人」という表記でした。
淑女って、実生活のなかであまり言いませんよね。「GENTLEMEN/LADIES」という英語表記なら星の数ほどありますけど、日本語の「紳士淑女」は今回は初。
この髪の毛の広がりもいいですよね。
また、身障者のトイレも素敵です!
うわ~!男女が並んで、青春小説の表紙か何かのよう!この緑の加減も、古い看板っぽくてツボです!でもこのイラスト、車椅子専用トイレってわかんない!
白と黄色の組み合わせも注目!
そして今回のトイレマーク、手前の天井の案内板も注目です!じゃん!
この案内表示、男が白で女が黄色ですね!この組み合わせも珍しいです。
トイレ前の看板は男性が青、女性が赤で作ってあるのに、この表示は白と黄色。何故でしょう?百歩譲って白は光の表示だからわかるとして、黄色です。いいじゃん。
また、ここの表記まで「所便御」と現代では反対読みです。
案内表示って、特に情報だけ入れればいいような風潮あると思いますが、ここは右書きを死守しています!そこは雰囲気を優先して譲らなかったみたい。その気概にgood job!です。
あ~。いいもの見た。
今回のトイレマーク、わかりやすさよりデザインの信念をもって、この表記にしているようですね!楽しかった。
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