右から逆読みの横書きトイレ表記!昭和レトロをイメージしている?‐No.762

トイレマーク ――その他アート

レトロなトイレマークを紹介します。

所便御じゃないよ!右から「御便所」だ!

同じく、右から「紳士・淑女」って読むの。

発見場所:大阪市北区 梅田スカイビル地下飲食店街
発見日:2014年11月1日
提供:KT様
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右から読むトイレ表記!

トイレマーク

今回のトイレは「じょ・べん・お…?」いやちがう!右から読んで「御便所」だ!

…てなわけで、レトロはレトロでも、右から左へ読む横書きまで模倣したかなり稀有な存在です!あ~スゴイ。ここまでやり切ってしまうと、文句も出ないです!万歳!

ちなみにこちらは、昭和レトロな横丁雰囲気をイメージした飲食街のようです。昭和と一口にいっても戦後ではなく、戦前ね…。スゴイ。

日本語の横書き表記の向きっていつ変わったの?

ちなみに日本語の横書きが現在の右から左(→)へ統一されたのは、意外と歴史は浅く、戦後になってからでした。

もともと日本語はもともと縦書きで、右から左へ読む文化でした。

昔は巻物だったので、右から左へ開いて、右端から読んでいるかたちですね。

←←←←←←←←この向き←←←←←←←

 

それが、文明開化後、西洋の書物で左から右の横書きの文章が大量に入ってきました。明治・大正期の日本語は現在と同じ左から右(→)の看板などもなかにはあったようですが、主には右から左読み(←)でした。

夏目漱石「吾輩ハ猫デアル」の表紙

それから右書きと左書きの特に規定のない時期があり、各所で統一の動きが高まりました。そして第二次世界大戦中の1942年、文部省が現代と同じ左書き(→)を本則とする旨をついに示しました。しかし、戦時下ということもあり欧米に合わせたような左読みは、決定には至らなかったようです。

流れが変わったのは戦後。昭和20年代に新聞各社が左から右読み(→)に切り替え、そこから徐々に認識が広まっていきました。欧米は左から右読みなのはモチロンですが、数式を書くにせよ、楽譜を読むにせよ、こちらの方がはかどりますもんね。

ということで、今回はその「戦前」を意識しているトイレマークですね!素敵!

イラストも雰囲気溢れる!

今回のトイレマークは、イラストも素敵!フォントも素敵!

男性は「紳士」。この横顔が何とも言えない。帽子を前の方に傾けてかぶっているのもいいですね。

女性は「淑女」です。意外と、「淑女」と表記してあるのは初出です。

今まで、日本語で「紳士」と書かれたものはありましたが、女性は「婦人」という表記でした。

トイレマークがアメーバのよう!自在に形を変えそう!?‐No.368
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淑女って、実生活のなかであまり言いませんよね。「GENTLEMEN/LADIES」という英語表記なら星の数ほどありますけど、日本語の「紳士淑女」は今回は初。

この髪の毛の広がりもいいですよね。

 

また、身障者のトイレも素敵です!

うわ~!男女が並んで、青春小説の表紙か何かのよう!この緑の加減も、古い看板っぽくてツボです!でもこのイラスト、車椅子専用トイレってわかんない!

白と黄色の組み合わせも注目!

そして今回のトイレマーク、手前の天井の案内板も注目です!じゃん!

 

この案内表示、男が白で女が黄色ですね!この組み合わせも珍しいです。

トイレ前の看板は男性が青、女性が赤で作ってあるのに、この表示は白と黄色。何故でしょう?百歩譲って白は光の表示だからわかるとして、黄色です。いいじゃん。

また、ここの表記まで「所便御」と現代では反対読みです。

案内表示って、特に情報だけ入れればいいような風潮あると思いますが、ここは右書きを死守しています!そこは雰囲気を優先して譲らなかったみたい。その気概にgood job!です。

 

 

あ~。いいもの見た。

今回のトイレマーク、わかりやすさよりデザインの信念をもって、この表記にしているようですね!楽しかった。

 

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