人魚って何者?頭が人間で下半身がヒレ以外の姿もあるの?-No.1026

トイレマーク ――人以外マーク

今回いただいたトイレマーク写真は、男女で違う種類の「人魚(半魚人)」でした。

女性は創作物などで見慣れた、頭が人間で足が魚型の人魚ですが、男性は頭が魚で足が人という姿。とっても面白いですよね!

この姿の差はどんな違いがあるのかと思い、ちょっと調べてみたのでトイレマークと合わせて人魚について紹介します♪

アナタそれ、尾ヒレがなくて泳げるの?

いや~これは泳ぎにくいよ…

発見場所:神奈川県厚木市 居酒屋「磯丸水産」
発見日:2022年3月7日
提供:M様
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男女で種類の違う「人魚」のトイレマーク!

トイレマーク

このトイレマークがあったのは、海鮮で有名な居酒屋さんだそうです。M様にいただきました!

男女ともに横向きで、男性が後ろにいて女性を追いかける形なのが面白いですよね。女性は美しい人魚のイメージですが、男性は顔が魚で半分口を開けているという残念な感じがまた…ね。

今までにも人魚のトイレマークは複数ありましたが…↓

男性の人魚は何て呼ぶの?マーメイドではない?‐No.896
男性人魚の呼び名と、ディズニーシーのマーメイドラグーンにあったトイレマークを紹介します。
リトルマーメイドのキャラクタートイレマークをディズニーシーで発見!‐No.897
ディズニーシーのリトルマーメイドのキャラクタートイレマークを紹介します。
マーメイドラインとは?人魚姿のトイレマークについて!‐No.430
人魚姿のトイレマークを紹介します

 

今回の男性みたいに全体が魚の姿だけど足が生えているような姿は初めてです!斬新ですよね。

そして、注目すべきは、このマークなんだかんだで、女性が胸をあらわにしてしまっているところです。今まで私も色々と変なトイレマークも扱ってきましたが、意外と女性の胸がはだけているのは無かったんです。SNSで海外などの面白マークとしては見たことありますが…。やっぱり人間の女性が胸を出してしまっている姿は忍びなかったのでしょうか。人魚なら罪悪感薄らいだようですね。

そういう意味でも、今回のトイレマークは大注目に値します!

そもそも人魚とは?

「人魚」とは辞書によると、

上半身が女身で、下半身が魚の形をしているという想像上の動物。(デジタル大辞泉より)

と書かれています。

世界大百科事典では「人間と魚の中間の形態をもつ架空の動物。多くは上半身が人間で下半身が魚である」とありますが、ほとんどの辞書が人魚を頭が人間、下半身が魚、と指定してあります。

これには中世以降に主にヨーロッパから広まったいわゆるマーメイド型の人魚が現代にはメジャーであることから想像できます。

アンデルセンの「人魚姫」しかり、ディズニーの「リトルマーメイド」、ひいてはスターバックスコーヒーのロゴもギリシア神話のマーメイド型の女神「セイレーン」です。


イメージ(楽天)

スターバックスのロゴがセイレーンなのは、ヨーロッパでは中世以降、セイレーンはその美しさと歌声で船乗りを魅了して溺れさせる海の怪物として描かれてきたから。「人々を魅了する」という意味を込めているのだとか。

しかしそもそもセイレーンは当初のギリシア神話では、下半身は鳥だったようなんです。しかし中世以降、ヨーロッパにて下半身が魚に置き換わっているようです。これはギリシア語では鱗と羽が同じ単語だったり、ラテン語でもよく似た単語だったためともいわれています。

いずれにせよ、中世以降は演劇や絵画などで取りあげられたほか、ライン川のローレライ、アイルランドのメロウなど、いずれも美しい女性の人魚の伝説が残り、船乗りに恐れられていました。

世界各地にある「半人半魚」伝説

半魚人

こうした人魚は「伝説」「空想」とされてはいますが、不思議なことに「半人半魚」は世界各地に伝承が残っています。

古くは古代シリアの女神アタルガティスのほか、男神としても、バビロニアのエアやオアンネス、ペリシテ人の神ダガンなどもあり、古代オリエントで記述が残っています。

古代オリエントではこれら「半人半魚」の水神が「人類に知恵を授けた」者としてあがめられていました。この場合、その姿は頭が人間、足が魚という形にとどまらず、たとえばオアンネスの場合「その全身は魚の身体であった。魚の頭の下にもうひとつの頭があり、また下には人間に似た足が、魚の尾鰭の部分に付いていた。」という記述もあるようです。

また、中世の西ヨーロッパでは「尾ヒレが脚、胸ビレがカギ爪のついた腕のように発達しており、頭は円錐形。人間のように直立歩行で移動する」とされる「海の司教」という伝説があります。

中国では、『山海経(前4世紀 – 3世紀頃)』という書物に「ナマズに似て四つ足で、人間の赤子のような声で鳴く」とされている河に住む人魚の記述も(これは一説にサンショウウオだとも)見られます。

我が国日本では、『倭名類聚抄』(平安時代中期)に「人魚、魚身人面の者なり」という記述があったり、『古今著聞集』(13世紀頃)では「伊勢(いせ)国で漁夫の網に人魚がかかり、魚身で頭は人間、歯は細かい魚の歯で、顔は猿に似ていた。人間のような泣き声で涙を流していた」という者がいたことも記されています。

このほか、アジア・オセアニア・アメリカにも「半人半魚」伝説が見られるなど、広い地域に散在するようです。

人魚は…妖怪的なものかと思いきや、「人類に知を授けた」神的なものでもある場合もあり、なかなか奥の深そうな存在ですね。

半人半魚の性別も重要なのね

トイレマーク

…ということで、今回のトイレマークを改めて見ると…どちらの姿も全世界的にはどっちもありうる半魚人でした。

トイレマーク的に面白いと思ったのが、人魚って割と、男女をきちんと区別してあることも多いという面。

普通の動物ものトイレマークだと、男女同じ形で色だけ青赤にわけてあり、あまり性別にこだわってないんだろうな~、というパターンも多かったので、人魚の場合は性別がかなり重要ではあるようです。

(参考)男女同じ形のトイレマーク↓

LADYの複数形「女性たち」の綴り方について!間違い例も紹介!‐No.942
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そりゃ男は「マーマン」、女は「マーメイド」なんて呼び名も別にしてあるくらいですからね。

参考

男性の人魚は何て呼ぶの?マーメイドではない?‐No.896
男性人魚の呼び名と、ディズニーシーのマーメイドラグーンにあったトイレマークを紹介します。

 

まあ近年では政治的に男女で呼び名を分けたらいけないんでしょうけど…、って、それは人魚にも適用されるのでしょうか。

そうなるとかなり高度なジェンダー意識を人魚さんの方にも人は持ってあげているというわけですね。それはそれでなかなか面白い事態ではあります。

 

 

 

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