神職の袴の色について!位によって色が違うの?‐No.661

トイレマーク ――その他アート

先日写真をもらった神社にあったトイレマークは、男女ともに袴姿でした。

神社の方々は袴をはくイメージがありますけれど、ちょうど巫女さんの袴は赤だし、男性の袴も青のイメージがあります。

袴にはどんな決まりがあるのでしょうか?調べてみました。

僕は浅葱色の袴だ

私は緋袴!

発見場所:京都府京都市伏見区 伏見稲荷大社
発見日:2014年3月8日
提供者:KT様
スポンサーリンク

神職の袴の色に決まりはあるの?

 

(楽天)

神職とは、神社で祭儀や社務を行う者のこと。神道系の大学や専門学校などで一定の課程を修了することでなることができます。彼らの袴の色は、実は「身分」によって決められているそうです。

「身分」は、神社への貢献度や推薦によって評価されるものです。特級・一級・二級上・二級・三級・四級の6通りに規定されています。袴の規定は以下の通り。

  • 特級…袴(白紋入)
  • 一級…袴(白紋入)
  • 二級上…袴(薄紫紋入)
  • 二級…袴(無紋)
  • 三・四級…浅葱袴(無紋)

上級になると、「八藤丸」という文様入りの袴になります。

このほか、神職は「階位」という位もありますが、こちらは研修を受けるなどの学識によって神社本庁により授与されるもので、袴の色には関係ないようです。

巫女の袴は決まりはあるの?

女性の巫女は、通常「緋袴」と呼ばれる赤い袴を身に着けます。神職とは異なり巫女は基本的に誰でもなれますが、20代くらいまでが多く、その後も神社で働く人は緑色や紺色の袴を身に着けることもあるそうです。

緋袴はもともとは宮廷で貴族や女官が着ていたズボン型の「捻襠袴(ねじまちばかま)」が原型です。捻襠袴は、帯の部分が片方が長い片結びにして腰の右辺りに結びます。

しかし、明治以降に教育者の下田歌子が女学生用の袴として、スカート型の「行灯袴」を発明し、これが着脱しやすいため現在ではほとんどの巫女の袴が行灯袴となっています。しかし、伝統的な捻襠袴を採用している神社もあります。

緋袴でとても気になるのが、なぜ、女性=赤なのか、というところですよね。日本において今にも通じる女性=赤という概念は、平安時代のこの緋袴がかなり古い例になると思います。

男は青、女は赤のイメージは日本ではいつから?歴史でみる色分けについて-No.123
日本人の衣服の色の歴史について考えてみます

このトイレマークの二人の袴は…

…と、ここまできて今回のトイレマークを見てみましょう。これは、京都の伏見稲荷大社の案内板にあったものなんですね。

おそらくちょうど男女の色として浸透している青と赤の袴ということで、トイレマークにも採用されたのだと思います。

男性は、青色の袴で、腰の部分で袴をはいています。こんな鮮やかな色は袴にはないですが、近い色といったら、身分が3位・4位の若い神職が身に着ける「浅葱色」の袴が想像できますね。

(楽天)

 

そして、女性は、胸の下あたりから袴をはいており、色も赤。よく見ると、帯の部分は片方を垂らして右に寄せて結んでいます。これは、「捻襠袴」の結び方です。伝統的な方ですね!

実際の伏見稲荷の巫女さんはどうなのか、画像を探してみたんですがよくはわかりませんでした。でも、あの伏見稲荷大社が、絵だけでも伝統的な方を選択してあるのってなんだかイイ。

…ということで、このトイレマークは若い人をモチーフに描いているんだろうな、という結論でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました