今回知人に写真をもらった子どもトイレのマークは、男子がキャップ帽、女子が頭にリボンという姿でした。
実はこの組み合わせはよく見ます。子ども用のトイレはこの形を使うというのは、規定なのでしょうか?調べてみました。
野球帽は男の帽子?
現代小学生は女子もかぶるよ
発見日:2014年4月5日
提供者:M様
野球帽&リボンのトイレマーク!
今回のトイレマークは、子ども用トイレを表すものでした。
男子が野球帽
女子が頭にリボンをつけています。
この組み合わせは、今までにも取り上げた「子ども用トイレ」でいくつか見られた組み合わせです。
複数あるということは、指定されているのかな?と思い、調べてみたのですが、2020年現在、まだキッズトイレに関する規定の形はないようです。
関係団体が子どもトイレの表現について検討している?
しかし、2020年に開催する(予定だった)東京五輪に向けて、交通エコロジー・モビリティ財団という団体が、ピクトグラムの在り方について研究した2019年の報告書を見つけました。
この団体は、日本国内のバリアフリー化を目指していますが、JISのトイレマークデータを配布するなど、国の施設・交通系のピクトグラムの研究や方針を一手に引き受けている団体のようです。
この報告書によると、キッズトイレのピクトグラムの形について、2018年に専門家団体と意見が交わされていました。このとき、財団提案のキッズトイレマークは、一般的なAIGAやJISに似た男女トイレマークの等身を少し縮めて子どもサイズにしたもので、小物は使わず男女は単に女性のスカートのみで表していたものでした。
それに対して、「一般財団法人全日本ろうあ連盟」や「オフィストイレのオールジェンダー利用に関する研究会」などは、「子供らしい可愛らしさを表現した方が良い(例:女子は三つ編みやおさげ、男子は帽子) 。但し、過度な表現は配慮(ジェンダー問題)が必要」と指摘していました。
そして実際に、アンケートなどでこの形が子ども用トイレを示すとわかるのか、日本人362名、外国人83名の計445名に調査をしたところ、60%がわかる、という結果だったよう。しかし託児所、こども休憩室と思った人が15%はいたそうで、改善の必要があるとしていました。
その後、検討の結果、以下の結論に落ち着いたそう。
男女の図形は変えようがないので(リボンなど)別の要素を付け加えることも考えられるが、性差は強調しない方針がある。
・形を付け足す(アイテムを増やす)より、「文字による補助表示」が適切ではないか。
・図形は修正せず、当初は文字による補助表示で展開。後に認知度が高まった時点で図記号単独の使用に切り替る。
・単独で表示されることはなく、設置場所がトイレに限定されることを考えれば託児所と間違うことはない。図形の要素は大きく変えないが、託児所、こども休憩室と誤解されないよう図形を修正する。
2020東京オリンピック・パラリンピックに向けたピクトグラム(図記号)のあり方検討事業 成果報告書
(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 2019年3月発行)http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/report/data/2019_03_picto.pdf
現在のところ、以上のような方針のようです。
つまり、子どものアイテムは…
つまり、子どもの男女トイレマークについては、国の方針としてはジェンダー問題もあり、アイテムはつけずに文字による表示を補助にしたい、というのがあるようです。
しかし…やはり私が見てきた子どもトイレは、こうして野球帽やリボンやツインテールなどアイテムを使っているものも多数あります。
子ども用トイレではないですが、少年少女モチーフのものにはこんなものもありました。
やっぱり…アイテムがあるほうが子どもというのがわかりやすいですよね。
一番アイテムが少ないのでコレ↓
こういった現状を考えると、子ども用トイレについては、まだまだ方針が変わる可能性がありますね。どのようになるのか…今後も気になりますね。
野球帽とリボンはやっぱり子供アイテム?
最後に、野球帽とリボンについて。
この二つは、実際の男児・女児がメインに使うものかと考えてみると…
この二つのアイテムは、大人も当然使うアイテムではあります。それに野球帽は、現在は女子にも人気アイテムです。
子どもトイレを実際に使う幼児を考えると、男児は野球帽よりもハットなどのほうがかぶることが多いかもしれません。
それに、女児も大きなリボンを横につけるというよりは、ゴムで結ぶことの方が実際多いだろうし…。実際の子どもの普段の様子から考えると、このふたつのアイテムは子どもの専用アイテムではありません。
でも、これらの姿は子どものイメージがなんとなくあります。
それは、私たち大人が子どもに「こうあってほしい」と願う像があるのかもしれませんね。
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