図鑑のような花のイラストトイレマークを紹介します。
私はサクラソウだと思うの
俺はアヤメかカキツバタかハナショウブか…。
発見日:2015年8月6日
提供:M様
お花のトイレマーク!
今回のトイレマークは、お花のイラストです!
今まで花のトイレマークはいくつかありましたが、どれも単色で、図案化されたようなものばかりでした。
しかし今回は、まるで図鑑にでも載っているかのような、綺麗な彩色イラストです!
美麗ですね~!
おそらくこれは、「箱根湿生花園」という植物園にあるからだと思います。ということは、男女それぞれこの花がマークに選ばれたのは何らかの根拠がある…?と思って、調べてみました。
女性マークは何の花?
「箱根湿生花園」で見られるこの形の花をホームページなどから探してみると、これはおそらく花の形や色などから「サクラソウ」であると思われます。
サクラソウはサクラソウ科サクラソウ属で、北海道南部・本州・九州の高原や山地のやや湿った草原に生え、4~5月に花が咲き誇ります。江戸時代に園芸用として栽培がはじまり、白、桃、紅、紫などの色や様々な形も増えました。現在サクラソウとして好まれるものは西洋サクラソウのプリムラなどもあるそうです。古来のものは「日本桜草」とも呼ばれており、今回はその日本桜草と思われます。
そんな日本桜草の花言葉は、「青春のはじまりと悲しみ」「早熟と悲哀」「初恋」だそう。
薄ピンクで小さく可憐な様子が女性のイメージにピッタリだったということでしょうか?まあ、何となく納得しちゃいますね。
男性マークの花は何の花?
男性マークに描かれている花は、その形状と「箱根湿生花園」で見られるというところから、「カキツバタ」「アヤメ」「ノハナショウブ」のいずれかに絞られます。
それぞれちょっとずつ特徴があって、違いは以下。
花びら | 生える場所 | 葉っぱ | |
カキツバタ | 白い筋の模様 | 湿地や水中 | 主脈が見えない |
アヤメ | 白と黄色の網目模様 | 乾いた場所 | 主脈が小さい |
ノハナショウブ | 黄色い筋の模様 | 湿地 | 主脈が太い |
左からカキツバタ、アヤメ、ノハナショウブ。
この表にイラストを照らし合わせてみると…ひっかっかるのが、花びらの模様なんですよね。黄色なのでアヤメかノハナショウブかな?と思いますが、ギザギザなんですよね…。これはどうとらえればいいのやら…?網目か?このほか葉っぱの形を参考にしようにも葉脈が見えない…。
どうにもこのイラストだけでは見分けがつかず、素人の私が泣きそうになりながらヒントを求めて「箱根湿生花園」のホームページを見たところ、毎月出す「花だより」のなかで毎年季節になると、「ノハナショウブ」をトップに取りあげてたんですね。ちょっと前の時期にはアヤメやカキツバタも咲くようなんですが、取り扱いようからノハナショウブは「箱根湿生花園」さんイチオシ感が伝わってきました。
なので、私の勘としか言いようがないんですが、これは「ノハナショウブ」ではないかと思います。
「ノハナショウブ」はアヤメ科アヤメ属で6月から7月に咲き、花茎の高さは40cmから100cmになります。ちなみに、ノハナショウブは、ハナショウブが品種改良される前の原種。花ことばは「嬉しい知らせ」だそうです。
…ということなんですが、これがどうして男性のマークに選ばれたのか…?と思ったんですが、ひとつ思い当たるのが、男子の節句の植物「ショウブ」です。
5月の端午の節句は「菖蒲の節句」とも言われ、菖蒲湯につかって厄除けをするなど、この「菖蒲」が重要な象徴です。この菖蒲が端午の節句の象徴となったのは、元々古代の中国で季節の変わり目のこの時期、体調を崩す人も多かったため厄除けや薬草として使われていたから。それが中国で縁起の悪い数字とされる5月の節句の行事として広まり、奈良時代の日本へ伝わりました。その後、日本では「菖蒲」の音の響き「しょうぶ」が武道を重んじる「尚武」に通じるとし、武家で広まり、男児の祝いへとなっていったそう。
しかし、ここでひとつ重要な点があります。
端午の節句の「菖蒲」は、「花菖蒲(またはノハナショウブ)」とは別物であるということ。
「花菖蒲(またはノハナショウブ)」はアヤメ科ですが、「菖蒲」はサトイモ科。花もこんなのです↓。
おぉ…。映えない(笑)。
葉っぱの形が似ているし、名前も似ているので混同されがちですが別種です。モチロン、この「箱根湿生花園」さんはそんなことも承知だと思います!専門家なのでね。
しかし結局、このノハナショウブは一つのまっすぐ直立した茎に大きな花がどーんと咲いて、剛健!な感じがします。この園に咲く他の青や紫の花「リンドウ」や「キキョウ」と比べると、その迫力がやっぱり男性マークの花として合っているのではないかと個人的に思います。
左からリンドウ、キキョウ。
ま、男性でも可憐で美しい人はいますし、女性でも剛健な人もいるので、イメージで決めつけるのも難しいところではありますけどね。ひとつの表現として楽しめました。
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