金ピカタイルのトイレマークを紹介します。
この想いは雲にのり…
私のもとへやってきた
発見日:2009年4月19日
提供:N様
物語の一部分?
今回のトイレマークは、佐賀県伊万里市のものです。先輩に写真をいただきました。
平安貴族の男女の様子ですが、人物だけではなく、屏風や簾、柱なども描かれ、物語の一場面のようです。
日本の絵巻物はしばしば上から見下ろした視線の俯瞰図で描かれますが、まさにそういった雰囲気。何か元ネタがあるのかな?とも思いますが、私にはわかりませんでした。なんの絵巻物かわかる方は情報をお待ちしています。
二人とも離れていても和歌などのやりとりなどをしてそうな雅やかな雰囲気ですね。
金雲も素敵!雲の名前は?
この雰囲気を支えているのが、この金色の雲ではないでしょうか。
こうした雲は、絵巻物によく描かれています。
これは「すやり雲」といって、漢字で書くと「素槍雲」、裸の槍を横にした様子ですね。絵巻物の不必要な余白を埋めるほか、場面転換などでも用いられます。面白い表現方法です。
今回は金色で作られているので余計に雅やかになっています。有田・伊万里焼には金箔を張り付ける技法もあるようなので、その技法でしょうか?カッコいいですね。
色も自然に青と赤で分けられている
今回のトイレマークは、平安時代の恰好をした二人ですが、ごく自然に男性が青、女性が赤に色分けされています。
日本においていつ頃からそういった色分けがされていたかは、以前検証してみました。
私の調べた限りでは少なくとも平安時代には、なんとなくそういった色分けがされてたのでは?という仮説があがってきました。今回のトイレマークもこの色分けで全く違和感はありませんよね。
男女それぞれ象徴の樹木も描かれている!
服装に加え、このトイレマークでは、人物の後ろの屏風絵にも注目です。
男性は松、
女性は藤です。
これは、「男は松、女は藤」ということわざからと思われます。
女は男に頼るという昔ながらの思想ですが…、この平安貴族の男性が頼れるかは甚だ疑問ですね(笑)。このことわざがいつ頃から言われるようになったのかはわかりませんでしたが、出典は1711頃の江戸時代の浄瑠璃「薩摩歌」に出てくるものがあるそうです。
男が雄々しい時代のことわざであって、少なくとも武士の世の中世以降のことなのでは…とも思いますが、男女を別のものでたとえた表現も登場することが興味深いですね。
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