近年、ジェンダー問題から男女同色のトイレマークが増え、賛否両論が巻き起こっています。
「男=青、女=赤という固定化したジェンダー意識を見直すべき」「緊急時にはすぐ判別できるよう色があるほうがいい」、トイレマークをめぐるこれらの主張はどちも間違っていません。
そんななか、今回赤い色紙を女性に加えたトイレマークを発見しました。今回はこのトイレマークから色々考えていこうと思います。
赤いなら夕焼け小焼けかしら?
夕焼けで日傘って…怖いよ
発見日:2022年6月24日
提供:MO様
赤い紙が加えられたトイレマーク!
今回のトイレマークは、男女ともに横向きの全身シルエット。
でも、やはり面白いのが、女性の方にだけ赤の色紙を後ろに挟んでいるところですよね!
この赤紙はよく見ると、特別テープなどで止められていないのか、ちょっと斜めになっています。単にビスのところにひっ掛けてあるだけであるようですよね。また、紙のサイズも上部はトイレマークのプレートからはみ出していますし、なんといっても、紙自体にシワがついています。あまりにも「とっさに処置した」感が出まくりです。
しかし店側は応急処置にしたいと思いつつも、すでに手放せなくなったような状況も感じます。
やっぱり…、色がないと判別に難しかったんでしょう。
現代は男=黒や青、女=赤やピンクといった固定イメージを見なおす動きがあります。それはそれでいい流れではありますが…。と同時に、長らく日本では「トイレマーク自体」が、青や赤といったイメージも広がっていましたので、トイレマークとしての色をどうにかするにはまだまだ時代のコンセンサスが必要のようです。
このシルエットでも判別は難しかったの?
それでも、今回のマークは、女性のスカートも大きく描かれているし、アイテム的には割と遠くからでも男女見分けやすい方だと思います。
現に今までにあった男女のシルエットものトイレマークでは、シルエットであるがゆえに、アイテムの誇張ができないといった面もあり、遠目じゃ難しいよね~というのもありましたから。
↑これらと比べると、見分けは楽勝じゃんと思ったんですけどね。
女性の帽子がつば広のものではなく、男性と同じ形であることとか、女性に髪の表現がなかったのはちょっと意外でしたが、そんなに男女間違えやすいということはないかと。
でもまあ、酔っていたり判断力がにぶっているなら、パッと見てわかる色分けはありがたくなるわけです。
ステッキ&日傘も注目
また、今回のような男性のステッキと女性の日傘というアイテムは、トイレマークでしばしば登場するアイテムです。
代表的なもので「帝国ホテル」…。
そのほかにもあります。
あとは特定的ですが、チャーリー・チャップリン的なのもありました…。
日傘はまだしも、オシャレアイテムとしてのステッキなんて持っている男性は現代にはほぼいないと思います。
そう考えるとやっぱり男女のイメージって、実際そのものの姿というよりは、観念的なものを重視しているんだろうな~なんて思うのでした。
観念としての色分け
というわけで、男女の姿というのは、その時代にかなりそぐわなくとも、その観念が男女の差として通じるなら採用され続けるのでは、と思います。
それは見た目に限ったものでもなく、たとえば映画の邦訳の女性はいまだに「~かしら」「~わね」というしゃべり方してますし、現代には見られないものでも、男女差を出すなら、昔のカタチにたよらざるを得ないという面もあります。
トイレマークでは歴史的な姿も一つのジャンルとして(←私が勝手に作った)結構ありますし。
それと同じように観念的なところで「男が青、女が赤」というのがあるんだと思うのですが、この色分けについては、いくつか説があるものの、(私的には)納得の理由が見つかっていません。
詳細は以下もご参照ください♪
この色分けが歴史的なカタチならそれはそれでいいんですが、なにぶんハッキリ言えないので、これが「固定されたジェンダー観」なのかもよくわからない感じです。
なので、世の中の人も、何となく槍玉に上がりそうな男女色分けを避けている面もあると思うんです。
この色分けの起源がハッキリということができたなら、青赤を男女の色として使うことにもう少し抵抗がなくなる…はず…。いや、むしろ抵抗が増えるのか?とも考えながら、個人的に探究中です。また情報が見つかれば、アップしようと思います!
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