今回見つけたトイレマークは、赤鬼と緑鬼の姿をしていました。
鬼といえば、赤鬼と青鬼が一番メジャーですが、この赤と青はトイレマークで男女を表す色でもあり、私の探求している赤と青の意味という点でとても気になるところです。
ちょっと調べてみると、鬼の色には理由があるようなんです。
今回はその件について解説します。
鬼は緑と青の区別があるみたい
それは気になるわね
発見日:2017年2月5日
そもそも鬼とは?
画像:写真AC
鬼(おに)とは、人間に危害を加える想像上の怪物とされます。オニという音は、姿が見えない意の「隠」の字音「おん」からきているとか。
日本語において、オニが意味するところは幅広く、「デジタル大辞泉」によるとたくさんあります。↓
鬼とは(名詞)
- 仏教、陰陽道(おんようどう)に基づく想像上の怪物。人間の形をして、頭には角を生やし、口は横に裂けて鋭い牙(きば)をもち、裸で腰にトラの皮のふんどしを締める。性質は荒く、手に金棒を握る。地獄には赤鬼・青鬼が住むという。
- 《1のような人の意から》
㋐勇猛な人。「鬼の弁慶」
㋑冷酷で無慈悲な人。「渡る世間に鬼はない」「心を鬼にする」
㋒借金取り。債鬼。
㋓あるひとつの事に精魂を傾ける人。「仕事の鬼」「土俵の鬼」- 鬼ごっこや隠れんぼうで、人を捕まえる役。「鬼さん、こちら」
- 紋所の名。鬼の形をかたどったもの。
- 目に見えない、超自然の存在。
㋐死人の霊魂。精霊。「異域の鬼となる」
㋑人にたたりをする化け物。もののけ。
「南殿(なんでん)の―の、なにがしの大臣(おとど)脅かしけるたとひ」〈源・夕顔〉- 飲食物の毒味役。→鬼食(おにく)い →鬼飲(おにの)み
「鬼一口の毒の酒、是より毒の試みを―とは名付けそめつらん」〈浄・枕言葉〉
鬼という単語は現代語のみならず昔から「スゴイ」という意味でも使われたりしますが、今回は(1)の仏教、陰陽道に基づく想像上の怪物での色について注目したいと思います!
節分の鬼は?
私たちの生活のなかの上で一番なじみ深い鬼といえば、「節分」のときに追い払う鬼だと思います。
この節分という行事は、季節の変わり目に邪気(鬼)を払うというもので、中国で行われていた追儺という行事が、平安時代から次第に宮中行事として行われるようになりました。その後だんだんと国を護る宗教としての仏教と結びつき、祓う鬼には仏教の要素も見られるようになりました。
この仏教でいう鬼とは、修行の妨げになる「煩悩」です。
仏教には「五蓋」という煩悩の考え方があり、5つの煩悩は5つの色と結び付けて考えられます。節分のときには、自分の懲らしめたい鬼の色をピックアップして退治するといいみたいです!
五色の鬼の意味とは?
では、5色の鬼はどんな意味があるのでしょうか?
仏教での五蓋という煩悩の考えは、以下のようになります。
- 赤…「貪欲(とんよく)」…欲望や渇望など強い欲。すべての悪心の象徴。
- 青…「瞋恚(しんに)」…悪意・憎しみ・怒り
- 黄…「掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)」…心の動揺や後悔、自己中心的考え
- 緑…「惛沈(こんちん)・睡眠(すいみん)」…怠惰や不健康
- 黒…「疑(ぎ)」…疑心や不平不満
こうしてみると、鬼としてメジャーな赤と青はやはり強い「邪念」を感じますね。ほかの黄・緑・黒に関しては、うだうだぐじぐじとしてそうなものの印象があります。赤と青、鬼としてツートップといってもいいような気がします。
トイレマークとしての鬼は…
では、冒頭の写真に戻って男女の鬼について見てみましょう。
トイレマークといえば、男性の青と女性の赤がちょうど鬼としてメジャーな青鬼・赤鬼にハマりますよね♪
トイレマークとして鬼は最適な組み合わせ…………
って、この男性トイレマーク、青じゃないッ!
男性が緑だわ…。。。
よく日本では、青と緑は同一視されますが、今回の五色鬼については仏教色なのもあってか、青と緑は区別されているんですよね~…。
青と緑の関係についてはこちらの記事もご参照ください。
あ~しかし青鬼から緑鬼になってしまっては、「憎しみ」から「不健康」にレベルダウンしてしまった感がある…。赤と青なら鬼ツートップ的位置だったのに…。残念だ…。
ちなみに同じ施設にあったイラストもののトイレマークでは男性がきちんと青鬼でした。
青と緑を同一視するか区別するか、これ結構興味深い問題ですね。
まとめ!鬼とトイレマークの色分けについて!
以上の通り、色というのは解釈が安定していない、というのがありますよね。
トイレマークにおいて男女が青赤というのも、文化その他によっては異なる解釈がある可能性がまだまだあります。その危険性において、日本ではかなり青赤が定着してはいますが、外国においては色の区別をつけたがらないというのはそういうところにあるんだと思います。
青赤が男女の色のハッキリした理由はまだいえませんし…。
でも、今回はとても面白いトイレマークでした。
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